当研究室では、高分子実験力学や高分子複合材料工学の最前線に立ち、革新的な研究を展開しています。我々の研究は、基礎科学の深化と実用的な応用の両面にわたり、社会のニーズに応える新たな材料開発を目指しています。以下に、主要な研究テーマについて説明します。

高分子実験力学

高分子材料の力学特性を深く理解するため、様々な実験手法を駆使しています。3点曲げ試験、引張試験、衝撃試験など、多角的なアプローチで材料の挙動を解析しています。これらの実験を通じて、高分子材料の構造-物性の相関を明らかにし、新たな材料設計への指針を得ることを目指しています。

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3点曲げ試験で高分子の弾性係数を求める

ショートビームせん断試験で高分子成形品の力学異方性を評価する

ショートビームせん断試験でポリマーブレンド成形品の力学異方性を評価する

重ね合わせショートビームせん断試験で表面力学特性を評価する

摩擦係数と表面押込み硬さの相関関係

高分子材料の力学特性を他の物性から推定する試みは、材料開発の効率化と新たな知見の獲得につながる重要な研究テーマです。当研究室では、熱力学パラメータから高分子材料の弾性係数を予測するモデルの構築を進めています。

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高分子のポアソン比を推定する

高分子の固化温度を推定する

高分子複合材料工学

高分子複合材料の性能を最大限に引き出すためには、マトリックスと強化材の界面における力学特性を理解し、制御することが不可欠です。我々の研究室では、成形品を用いた界面力学特性評価法を開発しており、界面近傍の局所的な力学特性を精密に評価しています。これらの精密測定技術により、界面の接着強度を定量化し、複合材料の巨視的性能との相関を解明することを目指しています。

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